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    穢翼のユースティア 感想

    作品名穢翼のユースティア
    メーカーAUGUST発売日2011年4月28日
    原画べっかんこうお気に入り度8/10
    シナリオ榊原拓 ほか点数85点











    実を言うとオーガストというメーカーはその知名度の高さ故、存在自体は知っていたのですが、べっかんこうさんの柔らかい絵に典型的な萌えゲーのシナリオ。そういう凡百の萌えゲーメーカーというイメージしかなかったので今まで敬遠してきました。
    しかし、今回某掲示板のランキングにかなりの上位に名を連ねていたので興味を持ったわけです。
    結論から言うと「何故、発売日に買わなかったのか!」思わず、そう言ってしまうほどの出来でした。購入検討に入れてたのに結局発売日に買わなかったあの日の自分を殴りたい……!

    この作品は公式サイトでも分かるように、今までのオーガスト作品からは一味違う雰囲気が前面に出されています。エロゲでは珍しい、正統派ダークファンタジーといった感じです。
    一応、キャラ萌えに関しては私が保証しますが、やはり萌えゲーと比べると薄いかもしれません。いや、薄いと言うよりはイチャイチャする場面が少ない、と言ったほうが良いですね。
    キャラには萌えられるけど、ヒロインと思う存分イチャイチャしたい! という人には物足りなさがあるかもしれません。
    とは言え、注目すべきはその完成度の高さ。絵、シナリオ、音楽、システム。ここまで高水準でまとまってるエロゲは中々ないです。

    是非、シリアスなゲームが好きな方にプレイしてもらいたい作品です。私のように今までのオーガスト作品はちょっと……でもユースティアみたいな雰囲気のものは気になる、という方も是非に。

    それでは感想に行きましょう。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)



    気になるディスク認証は初回起動時のみ。それ以降はディスクレスでプレイ可能です。また、ワイド画面にも対応。4:3の画面にも対応。親切設計ですね。

    プレイ時間は見せ場的な場面、個人的に気に入ってる箇所はボイスを全て聴き、それ以外はテキストを読んだら飛ばす。というプレイスタイルで約27時間。
    攻略はとても簡単。というよりほぼ一本道の構成で、本編1~5章から成るのですが、それぞれの章の最後にその章でメインとなっていたヒロインとのルートに入るか、先に進むかの選択肢が出るので迷うことはないと思います。
    車輪の国、向日葵の少女、G線上の魔王、グリザイアの果実、なんかが似たタイプですね。
    ただ、ヒロインのルート、と言っても一般的なエロゲと比べると短いです。これはそれぞれの章で中心となるヒロインが決められていて、その章自体が個別ルートみたいな感じになっているためです。事実、中心となるヒロイン以外はその章では空気であることが大半です。

    システムについて。スキップ、バックログ、ホイールでの文章送り、個別のボイス設定など、基本的な項目に加え、曲名表示(流れているBGMの名前を表示する機能)、Hシーン専用の縮小ウインドウ、バックログから好きな場面に飛べるクイックジャンプ、そしてマウスジェスチャーまで搭載。
    システムはほぼ隙無しです。戯画のエンジン並みに使いやすいです。
    マウスジェスチャー搭載してるエロゲなんて初めて見たよ!

    次に原画。絵に関してです。イベントCG・背景ともに美麗です。特に背景はかなりのクオリティを誇っています。しかも種類が多い。
    イベントCGはべっかんこうさんの絵が大嫌い! という人以外はなんの不満も覚えない出来だと思います。
    あと、特筆することに偶に背景CGと立ち絵のグラを組み合わせた疑似イベントCGみたいなのが出てくるのですが、それの使い方が上手かったですね。手元にある材料を最大限に生かしてる感じでした。

    そしてメインのシナリオ&キャラクターについて。
    空中に浮かぶ浮遊都市。貴族制度の存在、召使や娼婦、麻薬、マフィア的組織の存在などなど、エロゲのファンタジーにしてはしっかりしていて尚且つ、重い設定が渦巻いています。世界観として近いのはガースニクスの小説、「セブンス・タワー」、少し前にセガから発売されたゲーム、「エンドオブエタニティ」なんかでしょうか。
    そして、そのシビアな世界観に対応するように主人公・カイムを初めとするキャラクターも大人びた人やスレた感じの人が多いです。
    また、それぞれのキャラがちゃんとした信念というか、明確な意志を持って行動していくので印象に残るキャラがとても多いです。ヒロイン以外のキャラもばんばん活躍しますよ!
    あと、全体的に男キャラの出番も多いです。個人的に女ばかりだとダレるのでこれは嬉しいところ。
    そして主人公にはボイスが付いています! 前からシナリオ重視のエロゲーには主人公ボイスは必須、と言う持論があったのでこれには嬉しい限り。あ、ちゃんとHシーンではオフになるのでそこも安心です。

    キャラクターのCVも男女共に良く合っていたと思います。特にベルナドさんの声カッコイイ。
    個人的に一押しのキャラクターを男女別に上げると以下のような感じ。

    男……カイム、ジーク、ヴァリアス、オズ、ベルナド。
    女……イレーヌ、ラヴィリア、メルト、ガウ、リシア。

    テキストは特に難しいところや「ん?」となるところもなく読みやすいです。
    基本的には一人称で稀に三人称になる部分があります。
    また、視点変更時にはわざわざアイキャッチ的な画面を入れてくれるので、混乱することもまずないです。偶ににそのアイキャッチが無い場合もありますが、その時はその時でウインドウの色が変化するので問題なし。というより普通に文章読める人ならなんの心配も要らないです。
    あと一応、複数ライターによる作品みたいですが、文章の違いなんかはプレイしてて分からなかったですね。念入りにすり合わせをしたのでしょうか。

    んで、話の内容ですが、何というか正統派のダークファンタジーです。はい。
    都市のどん底の部分である「牢獄」という場所で暮らしていた主人公が、ヒロインと関わりながら、浮遊都市そのものの謎に迫っていく、というストーリー展開。
    終始地に足を付けた堅実な展開ですが、話の見せ方や進み方が上手く、飽きることなく進めることが出来ました。あとテキストのテンポが良いんですよね。
    全体のテーマとしては「人の生き方」、でしょうか。それぞれが悩みながらも今を生きていく様は中々胸に来るものがありました。
    あとは個人的にですが四章の出来が素晴らしいです。どのシーンとは言いませんが、久々にエロゲで泣きました。
    ついでに最も熱いと思った章は最終章。(ネタバレのため以下反転)
    ジークが牢獄民を率いて蜂起し、その隣に反乱軍の象徴として立つコレット。反乱軍対政府軍ってシチュエーションが大好きなのでこの場面はテンション上がりまくりでしたね。
    そしてラスト付近のカイムとルキウスの兄弟による一騎打ちなど実に熱くなれました。ただ、戦闘時のテキストはもう少し頑張って欲しかったところ。

    最後に一つ言うと、ファンタジー物なのに魔法が出てこないのも特徴でしょうか。いや、それらしきものはあるにはあるのですが、そういうのを使ってバトル! てのはありません。

    音楽について。BGMは曲数も多く。クオリティは高いです……が欲を言うなら重要な戦闘シーンにテンションを限界まで上げてくれるような曲が一曲ほしかったなと。
    ボーカル曲はOPのAsphodelus、挿入歌の、Close My Eyes、Tears of Hope、EDの親愛なる世界へ、の計四曲。
    どれも切ない歌詞とファンタジーらしい曲調で統一されています。ちなみにTears of Hopeは全て英詞です。
    オススメはAsphodelusとClose My Eyes。特にAsphodelusはとあるキャラの心情を意識した歌詞になっていて、クリア後に聴くとまた違った味が出ます。

    最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
    ティア……4回。
    エリス……4回。
    イレーヌ……2回。
    ラヴィリア……1回。
    イレーヌ&ラヴィリアの3Pが1回。
    リシア……4回。
    フィオネ……4回。
    娼婦の三人娘がそれぞれ1回。

    エロの回数は平均的なエロゲ並みにあります。特にシナリオ重視のエロゲにしては回数が多めなのも好印象。
    ただ、何 故 メ ル ト と ガ ウ に エ ロ を 用 意 し な か っ た (迫真)
    それと俺得のイレーヌとラヴィリアのエロが少ないのも許せない。
    オーガストは迅速にFDを用意するように(ぇ

    あとリシアにはおしっこ(←ここ重要)が1シーンあります。
    美少女のおしっこは世界の宝。RPGなら聖水として使える代物です(ぇ


    感想は以上です。
    いやあ、良いエロゲでしたよ、ユースティアは。最初にも書きましたがシリアス系の作品が好きな方には是非プレイして頂きたいです。
    ただ、人によって最終章の評価がかなり分かれると思うので、そこは覚悟の上で。個人的にはあのEDで全然OKだと思っています。
    またVFBやクロニクル、AUGUST 10th MEMORIALのブックレットなどにも書いてあるように、メーカーにとってはかなり冒険した作品だったようです。
    そういった意欲作がちゃんと売れたのは一ユーザーとしても嬉しい限りですね。
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