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    百奇繚乱の館 感想

    作品名百奇繚乱の館
    メーカーAstronauts SIRIUS発売日2017年7月28日
    原画M&Mシナリオヤマガミユウ、すまっしゅぱんだ、霧島へるん、なかぢ
    なしムービーなし
    対応OSWindows Vista/7/8/10お気に入り度6/10
    ディスクレス点数68
    プレイ時間約17時間


    ダンジョンオブレガリアスから一年と四ヶ月ほど間を空けてのアストロノーツシリウス待望の新作。
    一時期メーカー解散の噂などが流れたりしたせいで、それなりに売れていたから潰れることはないだろうと思いつつも心配していたので、本作が発表された時は嬉しかったですね。たぶん、かぐや時代からやってる人は本作を見た時に霧谷伯爵家じゃん! って思ったでしょうが、それはある意味で正しくてある意味で違いました。
    今回は今までシリウスで出してきたTD、RPGなどと言ったゲーム性を前面に押し出すものではなく、エステラ以来のADV……ですが、公式サイトやインタビューで語られていたようにマップ選択による探索、アイテム収集、そこからの豊富な分岐etc……ADVとしてのゲーム性を意識したとのことだったのでM&M原画作品という面以外でも期待していたのですが……。

    まあなんというか、ADV面でもシナリオ面でもエロ面でも片手間に作ったやる気のない作品だったよなと。
    ここ最近のシリウスは出来はともかく、良いものを作ろうという気持ちが伝わってきたので、楽しみにしていたのですが、正直、ガッカリしました。印象に残っているものもないので、あまり書くことがないです。

    以下は詳細な感想(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)。


    ◆ルート構成+システム

    ルート構成は初回バッドエンド固定で周回する毎に絢→百合、さつき、薫、怜、ハーレム→史華→莉理香、莉理香&織江と攻略できるヒロインが増えていく構成です。後で触れますが正直、このルート構成は失敗としか言いようがありませんでした。
    また本作はマップ選択で向かうヒロインルートを決め、会話パート中の選択肢でEDの最終決定をするというカタチになっています。
    マップ選択では下の画像のようにヒロインアイコンと?アイコンが混在しており、基本的には狙いたいヒロインを選択しつつ、余裕のある時に?アイコンで館を捜索してED分岐や隠しルートor隠しエロシーンのトリガーになるアイテム収集に励む、という感じ。霧谷伯爵家まんまですね。

    イメージ1539


    こう書くとそれなりに複雑そうには見えますが、実際は一回一回探索できる場所が絞られていることに加え、時間(お話)が進むアイコン(時計マークが付いている場所。大体はヒロインアイコン)と進まないアイコン(館探索+サブヒロインイベント)に分かれているため、毎回探索一回、ヒロインを追いかけるの一回、最低でも計二回は動けるようになっています。ですので会話パートを観た上で必要そうなアイテムがある場所にアタリを付けておけば十分過ぎる程の余裕があり、攻略は簡単です。
    なので歯ごたえのあるADVを期待してた方は肩透かしを食う可能性大。個人的に難易度は無駄に意地悪にされるよりはこれぐらいで良いと思うのですが、問題はルートロック等含めてこのシステムにした意味がまるでないところなんですよね。

    まず初回はバッド固定。以降も周回毎に攻略できるメインヒロインがほぼ固定の実質一本道構成ということを考えるとシナリオ重視のためにこういうものにしたのではと思われるでしょうが、ハッキリ言って本作のシナリオって最終ルート含めて大した謎も山場もない上に順番固定にする必要があるような伏線もないのでまっっっっっっったくと言っていいほど意味がないです。ほんとなんでこの構成にしたのか謎謎の謎。
    これなら最初から自由に館内を探索できるようにするか探索パート削除して一人ずつ攻略させる真の一本道にでもすればとしか思えないんですよねぇ……折角館探索なんていうプレイヤーが能動的に物語に首を突っ込めそうな要素があるのに実際はロックがかかっているせいで見掛け倒し……なんというかシナリオとシステムが噛み合ってないんですよ、本作は。
    普通、こういう攻略要素があるゲームにおけるシナリオってそのシステムも組み込んだ上で書かれるものだと思うんですけど、本作はそれがまるで出来ていないのでシステム面というかゲームシナリオとしてはカスも良いところだなと。
    メーカーが力を入れました、という部分が酷かったので本当に残念でしたね。

    システムと言えばテキストのフォントがやたらと小さく、縁取りも弱くて視認性低すぎだったのも×。


    ◆シナリオ

    で、ストーリー的な意味でのシナリオなんですけど、これがまた山場も何もなく淡々と進むので盛り上がりに欠けます。まだ魔法の暴走とか脅威となる敵対者がいたエステラの方がマシだった気がしますね。

    ストーリーをざっくり紹介すると以下のような感じ(公式サイトのSTORYより抜粋)。
    民俗学のゼミに所属する学生、青山芳人。
    所属ゼミの教授を追ってとある地方に赴いた彼は、人里離れた山中で道に迷い、とある洋館に辿り着く。
    その館は莫大な資産を持つ旧華族の名家、神門家の所有する豪邸だった。
    館の客人として館に逗留することを許された芳人は、神門家の次期当主を決める『影供の儀』に参加することになる。

    館モノによくある買ってないのに宝くじに当たっちまったぜな導入ですね。
    そして館の主である神門一族は代々近親相姦を繰り返してきた、それによって生まれる不思議な力を持つ子供・神子を擁している、拷問器具が揃えられた地下室の存在、絵画に描かれた怪物etc……導入もそうですが、背景設定も王道を往くものが取り揃えられていて面白そうには見えるんですよね。
    影供の儀に関しても霧谷伯爵家では美人姉妹争奪戦の競争相手というものが居ないに等しかったので、そういった意味では多少の緊張感がありますし。

    ただ、キャラというキャラが肝心なところで警戒心というものを失くしてしまうせいで、シナリオの都合に振り回されている感が否めません。なんなら兵蔵みたいにキャラの根本にある主張がころころ変えられてしまうキャラも居ますし、なんというか王道の設定等を用意しても紡ぎ手に活かす意志がまるでないとここまで腐らせることが出来るんだなぁと。
    それに先程、緊張感が多少はあると書きましたが、それはあくまで他の候補者という要素を見たらであって実際はピンチになってもドラえもん的なキャラがなんとかしてくれるので正直ないです。料理から殺人までこなす織江もんがスーパーメイド過ぎたんだ……そんな屈指のチートキャラである彼女を敵に回してしまった百合ちゃんはどう足掻いても幸せになれなくて悲しい。
    あとどうでもいいですけど、織江もんの一族は代々神門家に仕えているのに高倍率でテスト盛り沢山の使用人採用テスト受けているのは何故? 処女独占厨のくせに娘はよ食えと言ってくる兵蔵といいガバガバ過ぎる。

    アストロは昔からやたらと多い複数ライターでしたが、今回もその弊害が出ているなと。ゲームパートが主役だった過去作ではまだ大目に見れましたが、シナリオが主役となる今作のようなタイプだと眉をひそめざるを得ません。
    またこのような感じで展開が雑を極めてキャラの魅力が損なわれているので、楽しみにしていたビターエンド要素も輝きを失っているのが悲しくて堪りませんでした。悲劇的な要素を輝かせるにはいかにキャラを魅力的に見せて受け手に感情移入させるかが重要だと思うのですが、それがまるで出来ていないんですよねぇ。演出も微妙。
    昔過ぎて覚えていないのでアレですが、霧谷伯爵家はこの辺それなりにやれていた気がするんですけど……。

    まあでも隠しルートであるハーレムはエロゲらしい欲望塗れの内容で好きでしたけど、強いて言えばという程度ですし。
    魔術師が秘密裏に造っている神とか兵蔵の姉である監禁された先代神子、祠に棲むクトゥルフ的怪物とか色々料理できそうなのはあったんですけどね……ノータッチだったり、散々匂わせた割にはとりあえず出しました程度なのがもう……というかこういう怪物出すならもう素直に館モノじゃなくてクトゥルフTRPGみたいなの作れば良かったのではと思うは私だけですかね? というかやりたいので作ってください。

    素直に褒められる点としてはシリウス作品の華であるM&M大先生の素晴らしいイラスト、質の良いBGMですかね。嵐の序曲ほんとすき。
    最後に本作ではOPムービーも歌も用意されていなかったのが大変残念であったということを記しておきます。Electro master×みとせのりこの曲出してくれるのここだけなので辛いです。


    ◆えっちなしーん

    アストロノーツといえば濃厚なエロ、ですが……シーン数だったり尺(体験版収録の一周目のそれが異様に短かっただけで、以降はいつも通りの尺になりますのでご安心ください)は安定して良いですし、実用性十分でエロいのですが、なんというか導入がありえないぐらい雑な上にやる気ない全裸エロ多すぎない? と。
    全裸エロ自体はむっちりした身体を艶かしく描いてくれるM&M先生の絵(特に熟女勢のだらしのなさが佳い)ともなればとてもとても嬉しいものなのですが、服を脱がせる差分とかそういうものが一切なく、どんな状況だろうが即全裸なので、なんというか趣がないなぁと。
    服や下着を脱がせていくのを魅せるのってエロにおいての雰囲気作りとして重要だと思うんですけどね。残念です。
    残念といえばやはり少ない陵辱。莉理香に至ってはゼロですし、もうちょい枠を増やして欲しいところでした。アストロノーツ作品やM&M先生のどこか陰のある作風だと本当に陵辱は映えると思うのですが、中々増やしてくれませんね。悲しい。
    あと兵蔵に犯される系や織江の陵辱を速攻で終わらせたのは絶対に許さないからな! あまりにも無能過ぎる。この点が一番許せない。特に百合と絢の3P陵辱にこれを適用したやつ末代まで呪うからな!!!!!!!
    あといい加減エロ重視作品を手がけてるメーカーならエロシーン時のみ男性ボイスオフぐらい付けて欲しいですね。一々エロの時だけオフにするの面倒くさいんですよ。

    以下はシーン数(ほぼ同じ内容のものは纏めて一つとしてカウントしています)。

    莉理香……8(本番6)
    史華……9(本番8。陵辱1)
    絢……8(本番6。陵辱1)
    百合……10(本番7。陵辱2)
    怜……7(本番6。陵辱2)
    織江……6(本番5。陵辱2)
    さつき……7(本番5。陵辱1)
    薫……5(本番4。陵辱2)
    莉理香&織江3P……1
    怜&織江3P……1
    薫&さつき3P……1
    史華、百合、絢4P……1
    史華&絢3P……1
    百合&織江3P……1
    百合&絢陵辱……1(あり得ないぐらい短い)


    感想は以上です。
    だいぶ残念な作品でしたね。M&M先生の信者なのでダーク系を続ける限り、買うことはやめないでしょうけど、百奇繚乱みたいな手抜きが続くようならそれも考えないといけないかもしれません。
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