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    キスアト Kiss will change, my relation with you 感想

    作品名キスアト Kiss will change, my relation with you
    メーカー戯画発売日2014年1月31日
    原画みことあけみ/タケイオーキ/ひつじたかこ/marui(サブキャラ)/野愛におし(SD絵)シナリオ森崎亮人/玉城琴也
    新田恵海/安田みずほムービー神月社/どせい/ひろかわつがる
    対応OSWindowsXP/Vista/7/8お気に入り度8/10
    ディスクレス点数81点
    プレイ時間約20時間


    ※今回はネタバレ有りの感想ですのでご注意ください。

    そこまで大きなドラマもなく、実に穏やかに進み、そのまま綺麗に終わったエロゲ。
    一歩間違えると退屈の一言を投げつけて終わりになりそうでしたが、そうさせなかったのはライターの手腕でしょうかね。面白かったです。以下感想。(画像はあくまでサンプルですので大幅に縮小しています。画像の著作権は戯画様にあるため、無断転載はお止めください)



    ◆Story(キスアト公式サイトより)

    美術系に力を入れている、ちょっと地方の (土地がやたら広い) 学園。
    主人公・浅間真はそこに通っているのだが、自分の実力に不安を抱いていた。

    もうすぐ3年生になるという頃、彼は学年末制作のため、学生に開放されている作業スペースにやって来る。

    近くでは他の人も作業をしているその空間。
    彼の隣にいたのは他のクラスの女の子、星見月夜 (ほしみ つくよ)。
    ほとんど話したことはないけれど、その実力は有名で。

    彼は、その作業をしている姿とその絵に―― 心を奪われた。


    ◆穏やかに進む学園生活とその先にある将来について

    キスアトの特徴はやはり穏やかさでしょうか。物語というと中々現実では出会えないような要素、人が死ぬようなミステリーだったり女の子が空から降ってくるようなファンタジーが押し出される訳ですけど、キスアトはあまりそういうものがない(美少女に囲まれてるとかは置いといて)なと。
    なのでシナリオに刺激的な部分は殆どないのです。展開としては上記のストーリー紹介にあるように美術学校に通う主人公が、学年末制作や卒業制作で使う作業スペースでヒロインと半ば共同生活のようなものをしながら作品を作っていくというもの。これが長く続くのですが、この青春模様が見ていて楽しいのです。
    ただ、このように書くと山も谷もなく、退屈そうな感じになってしまいますが、そこを打ち消して魅力的なものに仕上げているのはメインもサブもきっちりとキャラ立ちさせてあるキャラクターでしょうね。後はこの作業スペースという複数人を同じ空間に長い時間閉じ込める舞台設定と学園きっての天才である星見月夜の存在が大きい。

    基本的に本作で出て来るキャラクターはどこか現実的な生々しさやスレたところを持っているのですが、それに対して月夜は正にフィクションのそれというような絵に描いた天才。描きたいから、好きがから絵を描いて、それがとんでもない出来で世間に認められ既に画家として活動している特待生という規格外ぶり。(天才という意味ではまどか先輩も該当するけど、月夜はその比ではない)

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    かわいい。

    で、この月夜と作業スペースという特殊な空間がどのように作用するのかというと、天才ではない凡人に与える影響です。(まあ、作中では凡人とされる真も梓も十分優秀なんですけどね。そこは与えられてるキャラ性のようなものと思って貰えれば)
    一例を挙げると、月夜と最も近くにいて、それ故に嫉妬と羨望の感情を誰にも見せずに抱えていた梓のルートが真っ先に挙がります。
    このルートでは共通ルートで少しずつ積み重ねた交流が実を結んで、出会った当初は好感度マイナスだった梓の内面に触れることで浮き出てくる月夜と梓の関係が見どころ。

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    天才とそれ以外の者の圧倒的な差。月夜はその才能故に他人から嫉妬を悪意に乗せてぶつけられることが多々ありました。しかし、それから守っていた保護者的存在である梓も例外ではなかったのです。むしろ近すぎるから抱えたものは複雑化していたのですな。天才になれないのならば、芸術で将来食べていくことが出来ないのなら自分は何故この学園に来て、美術を学んでいるのかと。
    また途中加入してくる一年生の新キャラにして月夜に次ぐ天才・狩野ひじりが良い劇薬になっています。

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    彼女は月夜と違い、思ったことははっきりと言うし、行動力もある。おまけに天才である自覚もあるし、凡人との線引もはっきりとしている、要するに自分が正しいと思ったことを真っ直ぐにやる人間であるため梓の劣等感をこれでもかと刺激してきます。この辺りでひじりに限界を覚えた梓が苛立ちを爆発させて賞の受賞により優劣が付く学園内展で月夜とひじりの両者と勝負することに。
    この展開はひじりが実に良い仕事をしてきたため、面白かったのですが、梓ルートはこういったものを直接的に描く割には黒さが足りないかなと思いましたね。もう自分の中でそういうものだと割り切っている真は置いておくとして、それを割りれていない梓のことはもっと踏み込んで描いてもいいんじゃないかなと。
    キスアトは極力ヒロイン視点は入れずに主人公である真視点で話を動かしているのですが、こういうのを扱うのなら視点を移してじっくり描いても良かったのではないかなあと思ってしまうんですよね。
    でも、そういった戦いや極めて似た立場である真との付き合いを経て、凡人だからこそ天才には敵わないけど、数多くいる同じ視点の者達と同じものを見ることができるのではないかと悟って出した結論は良かったのではないかと思います。
    ただ、やっぱり温いんですよねえ。

    あ、でも梓は正直クッソ可愛かったです。プレイする前はどうでも良いキャラだから一番に終わらせるわwと酷いこと言いながらやりましたけど、クリアする頃にはメインの中では二番目に好きになってました……やっぱり梓は真と似たもの同士な関係が良いというのもあるんですけど、どこか抜けた天才月夜、つかみどころがない小悪魔まどか先輩、妹系酒豪はとこの有紗らメインヒロインの中ではかなり常識人なところが安心するんですよねえ。
    そう、一緒にいると凄く安心する謎の癒やし効果。これこそ梓の真価ですよ。対男性防御固そうでどこか抜けてるのも良い。そんな学年に一人は居そうな美人でしっかり者の梓がデレた際の破壊力ときたら……。

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    あと一番エロい。部屋着もエロい。この際イベントCGでの顔の崩れが激しいものが多いのは目をつむ……つむれないわ。ひつじたかこさんもうちょい頑張って。


    対する月夜ルートは上で出た既に自分が天才だと自覚しているひじりとの対比を描いているのが良いなと思いました。
    月夜はひじりと違い、天才であること、またそれが周囲にどのような影響を与えるかということをあまり頭に置いてないので、本当に絵を描くことしか考えていないんですよね。(また、本人の性格と絵以外のスペックがポンコツであるため、絵を描くこと以外出来ないとも言える)

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    そういった月夜の前にひじりが現れ、天才であることを自覚しろと指摘され、自分が絵を描く上で関わることになるであろう人たち、そこに与える影響力等に初めて向き合っていく様、またそこに意識を向けたが故に今までの自分とのズレを覚え、泥沼に嵌っていく様が見どころか。
    梓ルートでは同じ立場ということで色々共有できる真が居たのと違い、月夜は天才であるが故に本当の意味で同じ視点でものを観れる対象が居ない状況で悩むことになるのもいい。(真が支えとして機能しないというわけではないし、真は真で天才と恋仲になることの意味をやはりひじりに指摘され、悩まされることになります。こちらの側の孤独と葛藤も必見。またこういう状況にもし自分がなったらどうするかと想像させるようなシチュエーションですので、そこもまた一見一考の価値有りかと)

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    しっかし、ひじりはトリックスターという程ではないですけど、良い具合にお話をかき乱してくれるので実に便利かつ美味しいポジションのキャラですなあ。その上かわいいし良い子だから隙がない。京子さんルートと共にひじりルート実装はよ。
    で、月夜ルートはこの天才がうんたらという話がメインであることは確かですし、実際、四ルートの中で一番出来の良いルートとして押し上げたのはこの要素なのですが、もう一つ! もう一つ重要なのがあります。
    それは月夜が自分の真への恋心を自覚し、女の子らしくなりたいと! 女の子らしくなりたいと! 梓に頼んでイメチェンしてくるところ。

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    このシーン割りと王道なんですけど、ほんと最高なんですよねえ……悶えるんですよねえ……胸が爆発するんですよねえ……地味な女の子は地味なままが良いという意見もあるでしょうし、無論分かるのですが、月夜が吐き出したこの決意ですよ。
    お菓子バクバク食べてキャンバスに向かうことしか知らなかったコミュ障月夜がですよ。女の子らしい女の子になりたいと梓に上目遣いで、蚊の鳴くような声で頼むところ至高なんだよなあ。
    実際、このイベント以降は髪型を変えて、(立ち絵もCGもキチンと変わります。あと実際は変わってないのかもしれないですけど、どこか顔の色合いも変わってるような気がしたんですよね。化粧のそれを反映してるのなら凄いし、そうでなくともそう錯覚させた時点でやっぱり凄い)私服も変わります。この変化は是非に自分でプレイした際に見て欲しいです。まあ新規の私服はオタサーの姫みたいでクソでしたが


    次にヒロイン組では最年長のまどか先輩。
    最初のほうでキスアトの特徴は穏やかさであると書きましたが、それを象徴するのがこのルートかと。
    これは先輩の卒業制作で作る動画の題材が自分目線で見た四季の移り変わりということを反映してるのが大きいでしょうね。このルートでは時間軸の都合上、ひじりが登場しないことも手伝って特に何かがあるわけでもなく、日々の積み重ねと少しのきっかけで真と結ばれ、そのまま進んでいく実に穏やかお話です。恐らく青春度合いは一番つよい。

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    ただ、そういった穏やかさが強調される一方で他のヒロインと違い、最上級生であること、作業場メンバーよりも一足早くやってくる卒業式、自身の夢を叶えるための就職活動などなど。どうしても避けられない真との別れの問題が浮上してくることによる焦り、そこから来る思い出づくりへの執着。これらの普段は飄々としている先輩からは想像できない一面を見れることがこのルートの魅力の一つですね。
    また、最後まで少し先を行く先輩と後輩の関係が崩れなかったのも良いなと。この距離感はとても大事。
    いやしかし、このルートはまどか先輩の意識の高さとそれに何とかして追いつこうと足掻く真のお陰で就活やらインターンやら就職やらと耳に痛すぎる単語とシーンがたくさんあったのが辛かったですね。(遠い目)
    今年のはじめにやっていたら恐らく鬱病になっていました。就活を控えた学生の方々は気をつけましょう。


    最後にさいかわヒロイン有紗。
    こちらは作業スペースで初顔合わせをした他のヒロインと違い、スタート時点で既に親密な仲かつ、妹に限りなく近い「はとこ」という美味しいポジションから付かず離れず進行しつつ、有紗側からの京子さんや真と同居したいという一大決心により大きく関係が動き、やがて結ばれるというもの。この近すぎるが故に真と恋仲になるのが難しかった有紗がようやく、次のステージにあがるのが見どころの一つですね。
    ただ、有紗は有紗で真関連以外でも悩みがありました。それはまどか先輩と同じく、何でも一定以上にこなせるため、進路が決められないということ。(この学園では一年生で学んだことを材料に二年生になると立体、平面、情報の三分野のどれをメインにするかを選ばなくてはならない。選択授業の重要度高い版ですね。ちなみに立体は真や梓のように彫刻やオブジェなどの制作、平面は月夜やひじりのように主に絵画、情報はまどか先輩のように動画制作などのPC関連)
    まどか先輩は映画制作に携わりたいという確固たる目標があったので、選ぶことが出来ましたが、有紗にはまだそういうものがないため悩みます。やりたいことを見つけるというのは普遍的テーマですよね。ああ耳が痛い。
    ただ、そこはやはり作業スペースという空間。しかも真、梓、まどか先輩、そして月夜と参考にすべき先達はたくさん居ますし、アドバイスも貰えます。そこで月夜から一番色濃く影響を受けたため絵画の道に進み、覚醒。月夜には流石に敵わないものの、ひじりに匹敵する評価という大きすぎるものを受けます。(学園入学前から功績を積んでいた月夜、ひじりと違い生え抜きの優秀な学生を育てたい+アピールしたい学園さんサイドの思惑もあるにはあるのでご都合主義色は多少緩和できている……はず)

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    しかし、出る杭は打たれると言いますか、突然覚醒した有紗を妬む声が挙がったりもします。まあこの辺の対処は月夜のパターンで慣れている真を始めとする面々の男前っぷりを堪能して頂ければと。どのルートでも自分から告白せずに居た真ですが、決してヘタレではなく、ちゃんと男気もありますので是非に拍手をしてあげてください。カッコいいですよ。
    そしてこういった経験やフィンランドからの転校生という過去も手伝って信頼しているもの以外には壁を作りがちな有紗が、そういった変なフィルターにかけずに接してくれる真、そして作業スペースメンバー、自分以上に人間関係が危ういひじりという後輩と触れ合うにつれて真が自分をどれだけ心配していたか、そして頼れる人間が居ない者の危うさを知り、有紗は変わっていきます。ここがこのルートの重要なポイントですね。

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    ただ、これは全ルートに言えるのですが、こういった重要度の高いポイントも割りとあっさり片付けがちなのが玉に瑕。このルートの場合は有紗が真に対しても警戒心バリバリで孤立していた時期とひじりの不器用な孤立ぶりをもう少し描いても良かったと思います。そうするとこの意識の変わる様がより映えますしね。
    全ルートに言える不満点といえば、親しい友人から恋人へのステップアップの強引さも駄目ですね。顔見知りから友人へとなる様は良く描けているのですが、恋人になる時は大体女性側からの性的アプローチ→抗えない→お前のことが好きだったんだよ! で終わってしまっているので、このあたりを丁寧に描いてくれたらなあと惜しまずには居られませんでした。

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    ああ^~有紗ちゃん最高に可愛いんじゃあ^~。ほっぺを膨らませて拗ねる姿も可愛い。家で一人映画見ながら呑んだくれる姿も愛おしい。私服は上はネックレス下はブーツまで最高のセンスなんじゃあ^~。長身酒豪ヒロイン良いゾ^~不快にならない程度のカタコトあじ秋刀魚ボイスも良いゾ^~。


    ◆えっちなしーん

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    シーン数は有沙が五、その他のヒロインが四ずつと中々の多さ。それに加え尺も十分ですし、CGも複数枚使い、二回戦等も描いてくれるのが素晴らしい。ただ、プレイ内容はどうしたってノーマルなので物足りませんが……あと有沙が抱いてとおねだりするところをこのあとメチャクチャセックスした的なテキストで流してしまったのは惜しい。そこを描いてくれ。
    無い物ねだりになりますけど、京子さんとひじりのエロも欲しかった。、

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    また、書く場がなかったのでここに書きますが、システム関連はいつもの戯画エンジンということで設定項目も多く、文句なし。
    それに加えイベントシーン一覧が用意されており、そこから好きなイベントシーンを見ることが出来るのもGOOD。バックログからのジャンプ機能もありますし、SSを撮る際も見たかったシーンを見る際も実にお手軽で非の打ち所がないです。


    感想は以上です。
    いや、良いゲームでした。ほんとにドラマチックな場面はそこまでないのですが、メインサブ両方の魅力的なキャラクターが織りなす何気ない日常描写の面白さ、これのお陰で全く退屈せずに進めることが出来ました。(全体がコンパクトにまとめられているというのもありますが)間違いなく良作。
    今作の出来のお陰で来年にして来月発売のハルキスもバッチリ予約しました。戯画くん! 森崎くん! せっかく原画もライターも大体同じの使ってるんだから今からでも遅くはない、ハルキス発売後に京子さんルート(眼鏡は絶対に外すな)と京子さんルート(眼鏡は絶対に外すな)とひじりルート追加したハルキスキスアト合同FDでも出そう! 買うよ!

    後、有紗のせいでコスケンコルヴァ(フィンランドのとても強いお酒。日本では販売されていない。ただ、京都で唯一フィンランドのお酒を取り扱っているバーがあるらしく、そこで飲むことは出来るらしい)が飲みたくなりました……何とかして飲みたいなあ。

    | エロゲ感想 | 07:46 | comments:6 | trackbacks(-) | TOP↑

    COMMENT

    ちなみに梓の√だけはライター玉城やで

    | まどか先輩の下着すき | 2014/12/31 12:56 | URL |

    まどか先輩の下着わかる。ただ全員一種類しか下着ないのが残念。
    はぇ~梓ルートだけ違うんですねぇ……あまりテキストに違和感なかったから途中まで複数ライターであること忘れてましたわ

    | くたばりかけの梟 | 2014/12/31 16:28 | URL |

    面白くなかったと言おうとしたらパサージュの記憶だった。

    キスアトは平凡だったけどキャラが良くて積まずに済んだかな。
    日本にはなくてもカナダにはあるんだよなぁその酒(強すぎて無理)

    | まぼろし(幻) | 2015/01/05 05:09 | URL |

    パサージュ買ったのかw

    起伏はないけど、掛け合いとかその辺が良かったからね。人によっては退屈だろうけど。
    カナダにもあるのかよ……うらやま。度数は30~60なんだっけ。割ってもキツいな

    | くたばりかけの梟 | 2015/01/06 00:13 | URL |

    ひじりと京子さんは確かに魅力的でしたけど、これまでのパターンからしてVitaに移植したら昇格、ってのが一番ありそうなんですよね…

    ハルキスも期待してますので、感想待ってます

    |   | 2015/01/07 10:17 | URL |

    うっ……そうでした。キスシリーズはみんなvita移植されてますもんね……畜生、えっちできないと意味ないんや、えっちさせてくれぇ……(亡霊の叫び)

    ハルキスは体験版の評判がイマイチ良くないですけど、良い物になると信じてます。

    | くたばりかけの梟 | 2015/01/07 20:04 | URL |















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