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    WHITE ALBUM2 感想

    作品名WHITE ALBUM2
    メーカーLeaf発売日2011年12月22日
    原画なかむらたけし、桂憲一郎、柳沢まさひでお気に入り度8/10
    シナリオ丸戸史明with企画屋点数85点








    2011年で最も話題になったであろう人気作、WHITE ALBUM2です。ちなみにICとCCあわせての感想になります。
    さてさて、ICは発売日前に終わらせていて、尚且つCCは発売日に買ったのにクリアするのが大分、遅くなってしまいました。まあ、そのお陰(?)でこうして感想を書くことが出来るのですが。

    それはともかく、丸戸さんの作品は(ついでにLeafの作品も)これしかやったことがないのですが、ファンの方が多いのも頷ける出来でした。

    正直、純粋に恋愛一本でここまで書けるのはエロゲ業界の中では中々居ないんじゃないでしょうか。ただただ、圧倒されました。
    分割であったり、ICの絵が酷いってレベルじゃなかったり、後編が出る時期遅すぎ、そもそも分割する程でもないなど色々と逆風もありましたが、CCではそれらのマイナス面全てを捻じ伏せかねないクオリティでした。間違いなく良作、と呼べるでしょう。

    それと一応、タイトルに「2」というナンバリングがありますが、前作はやってなくても何の問題もありません。まあ、殆どの方が知っていることでしょうが、念のため。

    それでは感想に行きましょう。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています)



    ディスク認証は初回起動時のみ。それ以降はディスクレスでプレイ可能です。また、ワイド画面にも対応。ただ、ICはしばらくしたらディスク認証を求められます。(ICはもう売ってしまったのでうろ覚えですが)

    プレイ時間は見せ場的な場面、個人的に気に入ってる箇所はボイスを全て聴き、それ以外はテキストを読んだら飛ばす。というプレイスタイルでICが約8時間。CCが約31時間。合計39時間です。長い……
    攻略はICは単純な一本道なので迷いようがないです。但し、二週目にイベントが追加されるので忘れずに。更に言うならば、二週目の前に特典小説、「雪が解け、そして雪が降るまで」を読んでおいたほうがより、物語を楽しめます。少しですが、挿絵もありますよ!

    んで、CCなのですが、結構面倒な作りになっています。演出のため、絶対に選べないダミーの選択肢があったり、「行けない」、「行かない」など微妙にニュアンスが違うものがあったりします……が基本的にはそのヒロイン寄りの選択肢を選んでいけばルートに入れます。
    ただ、後半になればなるほど、選択肢が分かりづらい気がしたので、迷うようなら攻略サイトに頼ることをオススメします。周回前提だったりと本当に面倒なので。

    オススメ攻略順は特にはないですね。自分の欲望のままに進むのがベストだと思います。ただ、千晶ルートをクリアするとICにまたしてもイベントが追加されるので、それはお忘れなく。しかし、面倒ですね。

    そして、更に言うならばCCの特典小説、「歌を忘れた偶像」はCC開始前か雪菜ルート前に読むと良いと思います。ちなみに私は雪菜ルートを攻略する前に読みました。ついでに言うとこちらは挿絵なし。

    システムについて。スキップ、バックログ、ホイールでの文章送り、個別のボイス設定、右クリックでのウィンドウ消去など、基本的な項目に加えHシーンでの主人公ボイスオフなどがあります。
    基本的なものは揃ってるので特に不満でないと思います……が、上記のものはCCとセット版でのコンフィグでIC単体ではHシーンでの主人公ボイスオフがなかったりします。(まあ、個別のボイスは切れるのでそちらからオフにはできますが)その他にも色々と欠けていたものがあった気がします。
    唯一の不満はHシーンでのバックグラウンドボイスを消せないこと。これが少し、残念でした。

    次に原画。絵に関してです。背景は並みのエロゲぐらい。特に不満は感じないでしょう。イベントCGですが、ICはなんかもう壊滅的……というのが相応しかったですね。
    今ではパッチでその辺りが多少はマシになっていますすが、やはり酷い。セット版ではパッチを当てた状態がデフォルトなのでご安心を。

    ただ、IC単体でしかお目にかかれない、数々の奇形絵や春希が走るアニメーションなどネタになるものがあるので、そちらが気になる方はICを買ってみるのも良いかも知れません。
    あ、それによる苦情は受け付けていませんのであしからず。

    そしてCCなのですが、相変わらず立ち絵は「ん?」となるのがちらほら。それらはあくまで少数ですのでそこまで気にすることではないのですが、一応。イベントCGは綺麗です。桂憲一郎さん、柳沢まさひでさん、両名共にとても綺麗なCGを書かれています。
    かずさ、雪菜を担当している、なかむらたけしさんもICとは別人なんじゃないか、という進化を遂げているのですが、やはり何枚か「おや?」となる絵が幾つか。ですが、基本的には綺麗です。
    ついでに言うならば、どのキャラも等身は結構リアル寄り。この作品にはぴったりだと思います。

    次にメインのシナリオ&キャラクターについて。
    世界観は現代を舞台にした恋愛物。説明は不要ですね。ちなみにICでは高校、CCではそれ以降と微妙に舞台が変わります。
    キャラクターはなんというか、これはシナリオにも言えることですが、リアルの人物をエロゲ仕様にカスタマイズした感じです。
    基本的にどのキャラも独自の思想を持っており、メインもサブも濃いです。とにかく。それ故にキャラの好き嫌いははっきりと分かれそうですね。春希、かずさ、雪菜、千晶あたりは特に。
    主人公の春希はフルボイスです。Hシーンではオフに出来る親切設計。
    ただ、彼はなんというか基本的には真面目で有能な好青年なのですが、こと恋愛に関してはどうしようもないクズにに変貌しますので、そこらへんが駄目な人は多いかもしれません。

    キャラクターのボイスはどれも良かったと思います。というより文句がないです。
    以下は男女別個人的一押しキャラ。

    男……武也、孝宏、浜田。
    女……かずさ、雪菜、小春、麻理、朋、曜子。


    テキストは読みやすく、丁寧です。言い回し一つ取って見ても、良く考えてるんだなあ、ということが感じられました。ただ、お話の性質上仕方ないんですけど、くどいです。全体的に。
    そして、「最低」、「コールバック」の二つの単語はあまりの出現率の高さに、ゲシュタルト崩壊を起こしそうになりました。コールバックなんて単語、小説でもあまり見ないよ!
    あとは同じ表現を繰り返し使ったり、同じように見えて、微妙に表現を変えたりするのも特徴でしょうか。丸戸さんはそういう小技が巧いなあ、と思いました。
    あと、バックでラジオが流れているシーンが多々あるのですが、それに伏線が仕込まれていることに驚きました。正にADVという媒体を最大限に生かした技。正直、やられましたね。

    そしてシナリオですが、まず、言わせてください。

    面倒臭いんだよ、お前ら!!

    ああ、すっきりした(笑)。
    簡単に説明するなら、どうしようもなく真面目でクズの青年と、どうしようもなく弱い女の子と、どうしようもなく強かな女の子と周りのお節介たちと思わぬ伏兵が織り成す、面倒臭い恋愛物。日本語がおかしいところがありますけど、こんな感じです。ついでに殆どのキャラが面倒臭い属性持ちというオマケ付き。

    基本的に三角関係を軸にして進んでいくのですが、その描写とストーリー展開が凄い。面倒でイライラする場面もあるのですが、面白い。
    そして、かなり丁寧に物語を紡いでいるのが良く分かります。よくもまあ、ここまで上手く纏めたなと。
    中身は恋愛だけでなく、時には微笑ましい、青春を。時には男同士の友情を。時には女同士の友情を。時には胸に響く家族愛を。その他諸々。濃密です。とにかく。
    エロゲというよりは一昔前のドラマをエロゲ風にした感じ、と言ったほうが良いかも知れません。
    生々しいです、本当に。人によっては胃が痛くなるような場面も多いです。
    最近の恋愛ドラマや萌えゲーつまんねって人はプレイしてみると良いと思います。エロゲだからと舐めてはいけません。リアルではありませんが、人物象の組み立てがしっかりと出来ているのでリアリティがあるんですよね。WA2の最大の強みはここだと思います。

    (ネタバレのため以下反転)
    個人的にcodaのかずさルート(真EDではない方)が最高につぼでした。大切な人である雪菜を裏切り続け、セックスという麻薬に溺れ、果ては自分たち以外の全てを捨てて、どうみても暗いものしか見えない、二人の現実逃避という名の短い旅。
    あの背徳感。
    あのどこまでも堕ちていく感覚。
    私がWHITE ALBUM2に求めていたのはこれだったのだと、声を大にして言いたい。素晴らしかったです、本当に。たまらないです。
    ついでに一番、気が滅入ったのはヒロイン関係の話ではなく、かずさルートでの武也、小木曽一家との決別。特に武也との決別は辛かったですね。お節介ですけど、本当に良い奴だったので彼は。ICからの春希との付き合いを見てると余計に……ね。
    印象に残ったのは小春ルートラストの雪菜が泣いているCG。春希の前では笑っていた彼女が、小春が出て行った後に泣いていたのは胸に来ました。それと同時に凄く、綺麗なんですよ、あのCG。


    音楽について。BGMはクオリティが高く曲数も多め。流石に音楽が重要な位置に来ている作品なだけって、気合が入っています。
    ボーカル曲はICのOPの届かない恋、CCのOPの幸せな記憶、挿入歌のWHITE ALBUM、SOUND OF DESTINY、After All ~綴る想い~、Twinkle Snow、深愛、POWDER SNOW、Routes、あなたを想いたい、EDの優しい嘘、愛する心、時の魔法、心はいつもあなたのそばに、closingの計十五曲。幾ら二作合わせてとは言え、多すぎ! なんという大盤振る舞い。
    Leafは迅速にボーカルコレクションを出すように……いや、出してくださいお願いします。

    オススメは幸せな記憶、届かない恋、WHITE ALBUM、優しい嘘、時の魔法、closing。
    幸せな記憶は初めて聴いた時に心にきましたね。切ない歌詞と曲調がたまらない。一番のお気に入りです。
    届かない恋は作中で重要な役割を担ってるだけあって、印象に残ってますね。あまりにお話に掛かってくるので丸戸さん作詞なのかと思ったけど、そんなことはありませんでした。
    WHITE ALBUMは劇中で雪菜が歌っている曲。前作の主題歌だそうですが、不思議と耳に残る良い曲です。
    優しい嘘はこれまた切ない曲で良いです。正にEDに相応しい。上原れなさんの声が心に沁みます。
    時の魔法は雪菜が歌っていて、曲自体がまた良いのですが、作中での役割とスタッフロールでのクレジットで出てきた作詞、作曲、歌、の名前を見た瞬間になんとも言えない気持ちになりました。
    closingは今までのED曲とは一転した曲調とその歌詞にやられました。最後に聴いたED曲なので余計に。

    最後にエロについて。シーン数は以下の通り。
    かずさ……8回。
    雪菜……6回。
    小春……3回。
    千晶……3回。
    麻理……4回。


    二作合わせて、と考えると普通……でしょうか。ただ、かずさはオナニーで一枠潰れてます。
    思ったより尺が短くなかったので普通に使えると思います。バックグラウンドボイスを消せないことと、明らかにそこはエロ要るだろ! というところでキンクリしたりと少し残念なところもありましたが、及第点には届いていると思います。


    感想は以上です。
    騒がれていたのが頷ける出来でしたね。そりゃあ、このクオリティなら絶賛する人が増える訳だと。
    ただ、私にはどうにもくどさが目に付いてしまったと言うか、話の性質上仕方ないんですが、ぶっちゃけ途中でダレてしまいました。そこが80点台に甘んじてしまった理由です。
    元々、恋愛一本よりも、ファンタジーやサスペンスがメインにあって、サブに恋愛があるというタイプの方が好きなのも原因ですね。ただ、人によってはもっと好評価を付けるのも普通に分かりますし、それだけの作品だと思います。
    骨太な恋愛物が見たい、一味違ったエロゲをやりたい、と言う人は是非、プレイしてみてください。

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