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    カタハネ 感想

    作品名カタハネ
    メーカーTarte発売日2007年1月26日
    原画笛/高階@聖人(補助)シナリオ笛(原案)/J-MENT
    Rita/観月あんみムービーRMG/CF-X
    対応OSWindows 98SE/ME/2000/XPお気に入り度7/10
    ディスクレス点数77
    プレイ時間約18時間


    正直、最初はダレるほどではないが退屈だったため、そこまで持て囃される出来だろうか? と疑問符を浮かべましたが、クロハネや個別ルートにまで踏み込むとそんなものは消え失せてましたわ。そして気付かされるシロハネの重要性……
    想い。この作品を語るのならばこれに尽きますね。

    ※最近はシナリオ等の感想で力尽きてエロに関するものが疎かになっていたため、今回からまた触れていきます。

    以下は詳細な感想です。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています。また、画像はあくまでサンプルですので大幅に縮小しています。画像の著作権はTarte様にあるため、無断転載はお止めください)


    ◆広がる世界と群像劇

    本作で特徴的なものと言えば、旅が主題の一つに置かれていてなおかつ、群像劇であることでしょう。
    上述のストーリーでも分かるようにメインキャラたちは演劇祭の脚本を煮詰めつつ、足りない役者を探しまわります。学園モノが大半を占めるため、何かと閉鎖的に成りがちなエロゲでは珍しく広い行動範囲を駆けまわるのが新鮮で、解放感に満ちあふれていましたねー。
    資金などは支援されていますし、何より一人ではなく、多人数で動くため「旅」というよりは旅行ではありましたが、それだけに多数のキャラがワイワイと電車に乗り込んだり、未踏の地に足を踏み入れる際のはしゃぎっぷりなどは思わずニヤリとさせるものがありました。

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    旅行の雰囲気を醸し出すのに最大の力を発揮したのはやはりこのヨーロピアンな背景でしょうね。キャラの賑やかさも勿論ですが、旅行といえば様々な土地を周ることこそがメイン。本作では惜しげも無く背景が大量に投入されていますので、その辺りが第一の魅力でしょうか(確か三クリックぐらいで飛ばされるシーンなのにそのためだけに用意された背景もありました)
    また、初対面のキャラが共に行動しているうちに心を近づけていく様なども良い感じ。
    ただ、難点を挙げるならば、群像劇であることを免罪符に視点をコロコロと短時間で変え過ぎなことか。混乱するとまでは行きませんが、余りにも落ち着きなく切り替わりが入るのでもやもやしました。また通常シーンでほぼ全ての情勢をカバーしようと切り替えを多発させる割には偶に挟まれるA.C.Vというどちらか一方の観たい視点を選ぶシステムがあることが謎。正直これは要らなかった気が……
    ついでに周回時に浮き彫りになるのですが、視点切り替えのアイキャッチで一々スキップが止まるのが鬱陶しい。ctrlキーのスキップでは飛ばせますが押しっぱなしは辛い。CGモードなども1ページずつしか送れなかったり動作も重いのがなんとも。兎に角システム関係がネック。


    ◆失ったのではなく、見えていないだけ

    過去のクロハネ、現在のシロハネの二部構成で形成される本作。その最大のテーマは消えない想い。
    過去と現在での同タイトルの劇中劇のリンクを始めとして過去との結びつきが強いシナリオ構成になっていて、事実現在の話であるシロハネ編の中盤辺りで実際の歴史とはどうだったのか、とでも言うように過去の話であるクロハネ編がスタートします。
    仲間とワイワイ劇の素材集めに奔走し、穏やかな時間を過ごし、ワカバが世に広まっている史実に立ち向かう(そこまでお大げさでもないが)様を見てからプレイヤーに見せられる本当の歴史。現状で伝わっている歴史、世界観を説明してからの過去編挿入は良いタイミングだったと思いますが、それなりの文量があるため流れを断ち切ってしまっている感も否めず。ただ、小分けにして出されてもアレですし、ここ以外に挿入するタイミングがあったかというとやはり微妙ですし難しいですね。
    クロハネ編は二つの国に挟まれた弱小国が陰謀に巻き込まれる様が良く描けていて良かったです。クロハネだけ見るとシロハネみたいな柔らかいお話を期待していた人を思わず真顔にさせるような力強さがありました。
    この段階ではラストの肝心な場面だけは見せられませんが、それでも悲劇として伝わる天使の導きの概要が我々に渡されます。この辺りの史実と歴史がどのようにして後半戦のシロハネ第二部(便宜上)で収束していくのかが本作の見どころかつメインですね。

    さて、本作最大のテーマは消えない想いであると上に書きましたが、これはタイトルにも掛かっていると勝手に思っています。カタハネ=想いや心であると私は思っているのですよ。
    一つの羽根(翼)では飛べないというようなことを作中でベルが言っていましたが、これはかなりの重要ワードであると考えます。

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    羽根とは左右揃って初めて役割を果たすもの。どちらか片方だけでは羽ばたけないものですが、本作で言いたいのは正にそれだと思います。
    想い、心=羽根で考えるとセロ&ワカバ、アンジェリナ&ベルその他諸々、本作のメインキャラは大体が対になる人物が用意されていて二つで一つの関係が重視されている気がしました。この辺りが羽根を表している気が。
    また羽根(翼)は無数の羽から形作られていることを考えると、完全なハネをハネたらしめているのは一枚一枚の羽(カタハネ)=想いとも取れる気がするのですよね。それこそ本編では数多くの「想い」が描かれた訳ですし。
    クロハネでアインが守り切った平和が受け継がれ、シロハネの平和に繋がっていますし、クロとシロの二つで完全な羽根を表しているとも思います。

    また、想いと言えば、ワカバが夢で見たものを元に書いた「真・天使の導き」とでも言う物の内容が現実に起きたことに非常に近いものになっていたりなどはデュアの血族であるがためにその想いが受け継がれてそうなったのだろうと想像させ、非常に巧く出来ていました。
    実際にシロハネ編終盤で天使の導きを演る際に実際の歴史で関わった人物(そっくりさん)が勢揃いするところなどはかなり来るものがありましたねえ。(デュアの血族であろうワカバがアインの不当な評価を許さないとでも言うように、結果的に守りきれなかったクリスティナとエファを今度こそはとでも言うように、脚本を書いてスポットライトで二人に羽根を授けるなんて素敵やん?)


    想いはココに託され、個々に宿り、此処に在る。とでも言えば良いのか。兎に角「ココ」は重要なワードでした、ねー。
    後はラストのお墓参りのシーンが特に感慨深いものがありました。その後に流れるlove solfege最強の歌手と私の中で評判の観月あんみ氏の「memories are here」がまた素晴らしい。曲名からしてカタハネの全てを表しているんですよ。


    以下私怨のため伏せ字。

    ……ただ、どうにも気に入らなかったのはクリスティナとエファコンビでした。
    別に百合が嫌とかそういう訳ではないのですが、とにかくいざこざをアインに投げっぱなしにし続けたせいか。手を汚すのは臣下の役目、更に摂政の立場にアインが居ることを考えると間違ってはいないのだけれど……民がどうとか言っているけどお前本当に考えてるのかよと言いたいぐらいにノータッチでしたからねえ。本当に姫様はエファにしか目が向いてないのが駄目でした。こいつのため(白の国のためというのも大きいが)にデュアやアインは命を投げ出したのかとやるせなさがありましたね。アインが諸葛亮並みにあれこれ働いてる姿とか見ると……姫様は劉禅より酷いぞ。ワカバみたいに単にウザいだけならここまで言わないのだけれど。
    その点ではシロハネでのアンジェリナとベルの近づき方は丁寧で良かったです。変わりゆく人間と変わらない人形という関係からある意味で逃れられなかったクリスティナとエファを見てからのアンジェリナの「あたしが、あなたの横を通り過ぎると思うの?」 という力強い想いの台詞が際立っていました。



    ◆エロシーン
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    実用性は個人的に皆無でした。シーン数も9とかなり少ないですが、特筆すべきはやはりレズエロか。この手のシーンのCGは原画が大好きなのか知りませんが、妙に気合が入っていて色っぽいものが多かったです。しかも全9シーンの内6がコレ。
    属性持ちの方にはたまらないのではないかと。尺もやや短めではありますが、CGを1シーンで2~3枚程使っていて丁寧でした。何よりこの辺りは実用云々ではなく、見ておいた方がシナリオの理解度を上げるのに役立ちます。

    感想は以上です。
    受け取ったものがあっているかは兎も角、テーマがハッキリしている作品は終えると充実感がありましたね。
    特に本作はED直前のやり取りがなあ……うん。でも個人的に一番ヒットしたシーンはアンジェリナが旅立ちの前日にするお婆ちゃんとのそれかなあ。ベタも良いところなんですが、CGが良いのも相まってもう……

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