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    レミニセンス 感想

    作品名レミニセンス
    メーカーてぃ~ぐる発売日2013年5月31日
    原画トモセシュンサクシナリオ衣笠彰梧
    榊原ゆい、カヒーナ、霜月はるかムービー神月社、846藝團
    対応OSWindows XP/Vista/7/8お気に入り度8/10
    ディスクレス点数78点
    プレイ時間約36時間


    勿体無い。

    これ以外に何を言えというのか。
    用意した食材は最高、調理はまあ良かったのに盛り付けで台無しにしてしまった、そんなゲーム。※私は衣笠・トモセ両氏の重度の信者です。

    もうね、レミニセンスに対しては言いたいことたくさんあるので、さっさと詳細な感想に行きましょう。(一部ネタバレ部分は反転で読めるようにしています。また、画像はあくまでサンプルですので大幅に縮小しています。画像の著作権はてぃ~ぐる様にあるため、無断転載はお止めください)




    ◆攻略ヒロイン&ルート構成

    攻略出来るヒロインは秋、キズナ、アクセラ、凛、希望のメイン五名です。また、後に詳しく書きますが、全ルートクリア後にEXルート有り。ちなみに凛・希望ルートを攻略しないとそれ以外の三人のルートには行けないのでご注意を。

    推奨攻略順は凛・希望→アクセラ→秋→キズナ→EX。
    秋、キズナに関しては逆でもOK。後述するEXルートの説明を聞いて、(居るかは分かりませんが)EXやらなくても良いやと思った方は秋を最後に回すことをオススメします。

    攻略は狙いたいヒロイン寄りの選択肢を選べば入れますが、凛に関してはどうも選択肢関係なしにフラグが建つみたいなので、初回は希望寄りの選択肢を選んでいくとスムーズに攻略出来ます。また、アクセラに関しては他のヒロインとのフラグを建てないようにするのが条件みたいです。
    そして、共通ルートでBAD直行の選択肢が二つほど、どれもネタなので見なくてもいいと思いますが、念のため。
    EXは全ルートクリア後に回想モードのその他にあるタイトル絵をクリックするとスタートします。


    ◆システム周り

    スキップ、バックログ、オートモード、個別のボイスオンオフ設定、右クリックでのウインドウ消去などが備わったオーソドックスなタイプ。あかべぇ製にしては珍しく、ctrlキーだけではなくマウスでも強制スキップ出来るので体験版部分を飛ばす時に助かりますね。
    しゃんぐりらの時よりも使いやすくなってます。


    ◆CG

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    背中を向けるCGって良いと思いませんかっ!(力説)
    CGは80枚ちょっとと少なめで一般CGが物足りないのが不満ですが、相変わらずトモセさんの美麗かつむちむちな絵は健在。あとはやっぱり主人公の顔を積極的に出してくれるのが良いですよね。
    立ち絵も男女共にカッコイイ&可愛いで良いんですが、女性陣の下半身が若干細すぎる気が……。CGではちゃんとしてるので少し違和感を覚えましたね。あと、主にエロシーンでテキストとの微妙な齟齬と腕が細すぎる物が一部あるのも目に付きましたが、それ以外は完璧。
    やはり、女キャラだけでなく、男キャラが積極的に顔出してくれると物語への没入感が違います。


    ◆キャラクター&ボイス

    キャラクターは衣笠ゲーということで主人公からヒロイン、サブキャラまで独自の考えで動いていくので十分すぎるほどに濃いです。
    女性陣の可愛さは言うに及ばず、秀隆や竹内さん始め、魅力的な男性キャラも健在。マリアや雄輔などの重要ポジションではないキャラも少ない出番の中でさらっと厚みを持たせているのがGOOD。
    また、野郎同士の飲み会の描写など、現実では日常茶飯事でもエロゲでは中々お目にかかれない物をちょくちょく書いているのもまた、お話というか、この世界への没入度を引き上げてくれますね。だが、過度なホモネタはいらん。

    主人公の秀隆は衣笠さん安定の一見すると昼行灯ながらその実、有能な主人公。
    基本的に下手に出て相手の顔色を伺ってから発言しますが、根は我が強く、信念も曲げない上に粘り強く、喰えないタイプ。
    そして、今回も主人公には強烈な過去の描写有りです。キャラクターを形成する上で何が重要かと言えば、それはその人物が歩んできた、その人が何故その人足り得るのかを表す、経験、過去であり、それらがしっかりと描けています。というかこれがメイン。
    やっぱり、この辺りがちゃんとしてると「納得」がいくんですよ。あと、重い過去はなんだかんだ人を惹き付けます。
    でも、希望にクイーンに会いに行くとか、親しくなったその他のキャラにアクセラの存在教えちゃったり、秋ルートでの真相を語る時に秋が聴いている可能性を考慮しないのは油断しすぎ。


    以下は男女別お気に入りキャラ

    男……秀隆、竹内さん、恭一、ユウキ。
    女……マリア、まどか、秋、凛、アクセラ、杉村先生、愛佳、和葉。


    メインも良いんですけど、サブキャラが魅力的すぎる……特にマリアさん……惚れたわ。発売前はまどかと杉村先生にゾッコンでしたけど、彼女は強力すぎた。ルート希望。

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    この顔で見下してきたり、(その程度のサイズのナニで)良く大胆になれますね、とか言ってくるから僕はもう……!

    各キャラのCVはバッチリ。凛の声優さんなんかはあまり聴いたことのない人でしたが、通常・エロシーン共に文句なしでしたね。完璧。
    あと、秀隆はシナリオ冒頭とEXルートでボイスが入ります。中々良い感じでしたのでフルボイスにして欲しかった。


    ◆テキスト&シナリオ

    相も変わらず驚異的なテンポの良さを誇るテキスト。特に複数キャラ会話時のノリの良さは一級品。
    地の文は必要最低限に留め、とにかく自慢のキャラの掛け合いでグイグイ押してきます。ADVにおける一つの完成形とも言っても言いでしょうね、それ程の力を秘めたテキスト。
    但し、シリアスパートでも軽い感じが否めないのが玉に瑕。読み易い余りに重要なシーンでもさらっと流してしまうことがあるので、シリアスとコメディパートでのテキストの使い分け……間や地の文の増減の調整が出来るか否かが衣笠さんの今後の課題ですね。逆にそこさえ克服すれば、彼に太刀打ち出来るエロゲライターなど居ないハズ。

    ……そう言えば、このゲームも大図書館やエステラと同じく、三点リーダーがセットで使われていました。もしかして、最近のエロゲではこの辺りを統一するようになったのでしょうか。

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    ちなみに今作も上の画像のように小ネタ満載。ADVという媒体のシステムやエロゲにおける暗黙の了解を利用したものからなにまで幅広いです。
    あとはやはり、衣笠ゲーでは主人公が無茶な選択肢に応えてくれるというのも良いです。他のゲームではネタ選択肢は出しても実際には「いや、それは駄目だろう」とかつまらないこと言って実行しませんから。


    そしてシナリオ関連。
    舞台となるのは地上が天災で滅んでから数百年後の未来、地上の地下に作られたジオフロントに作られた二つの街、ホープタウン、ドリームタウン。
    シナリオはある事情により、以前からの夢であった特務官になることを諦めた秀隆が、街の代表者である唐沢代表の強い働きかけで特務官に就任し、ひょんなことから同じ家に住むことになった地上時代の生き残りである少女、キズナと恩師である唐沢、そして、己の目的のために仕事をこなして行くお話。


    展開としては特務官になった秀隆が仕事で様々な相手としのぎを削りながら、地下世界に隠された謎を探る感じですが、外交が絡む以上、中々に社会派。物足りなくはありますが、ホープタウンが社会主義、ドリームタウンが資本主義的な側面を持っているのでそこら辺の対立なんかも見せてくれますしね。
    しかも、マネーゲームをやる展開も用意されていたりと楽しませてくれます。ただ、世界観の説明が明らかに足りていないのでそこら辺をもっと突っ込んで欲しかったですね。特に開発地区の買収合戦の辺りはここをしっかりとやっていればもっと魅力的に出来たはず。まあ、それを打ち消してしまうぐらいの魅力はあるんですけどね。

    特務官としての仕事、裏で渦巻く様々な人物・ホープ・ドリームそれぞれの街の思惑、島津家の過去、ヒロインとの交流etc……
    ホントに中盤まではシナリオ、テキスト、キャラクター、どれも高水準で本当に面白いんですよ。コメディとシリアスが半々くらいの比率になっているので、そこら辺の起伏も良かったです。一旦プレイし始めると本当にこの世界にどっぷりと浸かれるんですよ……物語へ引き込んでくる力は凄いんですよ……特に一時的に受け手の意識を集中させる魅せ方が上手いんですよ……面白いんですよ、楽しいんですよ……
    それだけに、
    それだけに……

    なんでまた後半から手を抜き始めた。

    もうね、どのルートも後半になるにつれてわざとかと思う程にシナリオの密度が低くなってるんですよ。序盤から中盤まで凄い勢いでプレイヤーをグイグイと引き込んだのに急に手を離される。無慈悲とかいうレベルではない。
    察しましたね、「あっこれ暁の護衛と同じパターンや」と。
    一万歩譲って本筋から逸れた話になる凛・希望ルートについてはまあ、許しましょう。話も萌えゲー臭いし、そこら辺は衣笠さんもそこは割り切ったと思うので。でも手は抜くなや。
    でも、この作品最大のメインであり、タイトルにもなっているレミニセンス……つまりは過去の記憶や追憶それらを取り上げたアクセラ・秋ルートでもそれをやらかしたのが勿体無いとしか言い様が無い。というかそれなりに期間を掛けて作った自分の作品でこれやっちゃうのは何故なの。衣笠さん自身本当に納得がいっているのだろうか?

    特に秋ルートは秀隆と秋の過去が明らかになるメイン中のメイン……島津秀隆という男の話の集大成なんだから頑張って欲しかった。面白かったからこそ、そこで満足しないで欲しかった。最後まで駆け抜けて欲しかった。たっぷりと描写して欲しかった。秀隆と秋の和解があっさりすぎるんだよ……せめて秋視点で葛藤なりなんなり入れるべきでしょ。
    全ルートに言えますが、結末はアレでもいいんですよ。捻りがない上に容易に予想できたけど、落とし所としては悪くない。問題は魅せ方。極端な話、そこに至るまでの過程で十分に魅せれば意外な結末とか要らないですから。但し、キズナルート、テメーは駄目だ。いくらなんでも地上チラ見して満足しました! じゃ厳しすぎ。キズナが地上に拘る理由も弱い。あと、絶対続編意識してるだろ。
    グダグダになりましたが、まとめると描いてる話に対して描写が圧倒的に足りていない……これに尽きます。勿体無いよ、ほんとに。


    グダグダついでにもう少し、本作の戦犯EXルートと過去作・暁の護衛シリーズとの接点について。
    まずはまあ、ユウキとか倉屋敷とかキズナに関しては知らなくても楽しめるので問題ないでしょう。ドリームタウンのモブに宮川家の方が居たり、コメディパートで暁のセルフパロみたいなネタがあったりするのも、知ってる人だけがニヤリと出来るファンサービスとして全然OKだと思います。……ここで留まってくれれば良かったのに……。

    問題なのは恭一(前作主人公の朝霧海斗)の存在と彼を主人公にしてしまったEXルート。

    何故出した、何故作った。

    流石に衣笠さん、トモセさん、暁の護衛シリーズ、そして海斗の信者を自覚してる俺ですら擁護できない。蛇足としか言い様が無い。
    これがね、完全新作じゃなくて暁の護衛の続編ですよ、と宣言してたなら何も言わない。でも、レミニセンスは新作だよ? 新規の人も手に取るんだよ? EXに入るまでに寒い警告しても許されないんだよ?
    しかも、わざわざ新規層を切り捨てたルートにしては悲しくなるぐらいに中身が無い。内容は本編のキズナルートを恭一視点で焼き直しただけなんだもの。滅茶苦茶カッコイイ2ndOP流して誤魔化せると思ったら大間違いだ。(流れた時はめっちゃ興奮したけども)

    多分、暁ファンへのサービスとして作ったんだろうけど、サービスになっていない。暁ファンへと向けたものなら思わせぶりに出した麗華の最期を看取っているようなCGとかEXの結末のその先をガンガン描くべきだろう。わざわざ、新規の方を置き去りにして終わった話の別視点(しかも地の文が少ないから大した新情報がない。ついでにこのルートのヒロイン・恋とのエロもなし)だけじゃ駄目でしょう。暁要素はなしにして既存ルートをもっと煮詰めてれば完璧だったのに……。
    新規層も暁ファンも誰も幸せになれない、「無駄」としか言えない要素。最悪でした。信者の俺でもここまで言うのは正直ヤバいと思う。ああ、そうだ。海斗のボイスですがドラマCDの方よりもかなり良い感じになってました。ここだけは良かったです。



    ◆BGM&ボーカル曲

    BGMは曲数は多目で穏やかなものから不穏なモノまで揃ってます。何処と無く暁の護衛で聴いたようなBGMがあるのは気のせいでしょうか?

    ボーカル曲は以下の通り。

    1stOP……やがて消える幻でも
    2ndOP……幻影ノスタルジア
    ED……未来をつなぐ記憶の欠片

    の計三曲。2ndOPという非常に燃える場面で流れる幻影ノスタルジアは勿論良かったですが、やはり主題歌のやがて消える幻でもが圧倒的なクオリティでしたね。(OP公開時からヘビーリピートしてたのもありますが)
    歌詞が本編を良く表していてクリア後に聴くとグッと来るモノがあります。攻略後は是非にボーコレ収録のフルverを聴いて欲しいです。
    あと榊原さんは恋0とかアリステイルの媚びた、というか可愛い系の歌も良いですけど、幻想の城とかこの曲のような感情たっぷり込めたシリアス系の曲が凄くいいですね。今のところ今年一番のお気に入りエロゲソング。


    ◆エロシーン

    シーン数は以下の通り。
    キズナ……3
    秋……3
    アクセラ……3
    凛……3
    希望……3
    静乃……1

    上がアペンド抜きのシーン数です。アペンドを入れるとアクセラに2シーン追加、その他メインキャラに1シーン追加に加え、まどかにも1シーン追加されます。

    シーン数は平均的ですが、サブキャラのエロが殆ど無いのが不満。やはりそこはFD用なのか。
    絵は尋常じゃなくエロいですが、いかんせん尺が短い。テキスト自体は暁の頃より良くなったんですが、短い。
    ただ、キャラの特徴が良く出た絡みなので尺の割に結構実用的。衣笠・トモセゲーではダントツのエロさでした。


    感想は以上です。
    辛いなあ、色々と。まあ、FDがや続編出るなら買いますけど、ホントに頑張って欲しい。こんだけされてもまだ付いてくるファンもたくさん居るだろうし、それだけの魅力もあるのだから……。
    正直、この感想見ると買う気失くすかもしれないですし、オススメするのもやや躊躇われますが、「面白さ」に関しては保証しますので興味が少しでもある方はどうぞ。

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